はたらきアリは働き者。これは、特にアリに興味がない人でも何となく知っている定説です。
前回の記事で紹介した通り、実ははたらきアリで忙しく仕事をしているのは、メスだけです。これは、外界でエサを調達する仕事に限らず、巣の中でも一緒です。
メスが命がけで捕獲したエサを、巣の中でタダで食べるオス。オスのはたらきアリは、生物的になにか役割はないのでしょうか?
さっそく調べてみましょう!
質問:オスのはたらきアリの役割はなに?

オスのはたらきアリはエサも探さないし、
巣の中でも仕事をしないって・・
なんのためにいるんだろう?



今日は、オスのはたらきアリの役割を
調べてみよう!



ね〜、ね〜、オスのアリさん。
アナタは本当に働かないの?



うん。僕達はオスだから働かないよ。
お父さんもおじいちゃんもそうだった。



お父さんもおじいちゃんも?
メスだけ働かせちゃって、もう・・
でも何か役割はあるでしょ?



もちろんだよ!
僕達オスの役割は子孫を残すことだよ。
それだけがオスの役割なんだ。



そっか!
子孫を残すのは大切な役割だもんね。


オスの働きアリの役割は子孫を残すことだけ
身近な昆虫でありながら、とても面白い生態を持つアリの世界。女王アリを中心にしたアリの巣も、昆虫好きには小さな宇宙のように興味深いものでしょう。
オスのはたらきアリは、地上でエサの捕獲もせず、巣の中でも一切の仕事をしない存在ですが、他の生物と同様に子孫を残す重要な役割が与えられています。
繁殖の時期になると、オスのはたらきアリは生まれ育った巣から地上に出て、繁殖するための相手である女王アリを探しに飛び立ちます。オスに羽根が生えているのは、そのためだったのです!
二度と巣に戻らず生涯を終える
巣から飛び立ったオスのはたらきアリは、生まれ育った巣に戻ることは二度とありません。
運良く繁殖相手の女王アリに出会えたオスのはたらきアリは、役割を終えるとその生涯も終えます。また、繁殖相手に出会えなかった場合も一緒です。
地上に出てから、数日から1週間程度で、オスのはたらきアリは死んでしまうのです。
なお、オスのはたらきアリが繁殖のため巣から飛び立つことは「結婚飛行」と呼ばれています。
家族を持たないの?
人間や他の生物のように、父と母で子が1人前になるまで共存する習性は、アリにはありません。
オスのはたらきアリのように、女王アリもまた、繁殖することだけが役割です。つまり、卵を産むだけ。相手のオスと共に巣に戻り卵を産み家族生活を営むことはしないのです。
巣立ったオスはエサを食べないの?
オスは、子孫を残すことだけが役割です。結婚飛行の前に巣内でエネルギーを蓄えますが、巣から飛び立ったあとはエサを食べずに相手の女王アリを探します。
そして、役割を終えたあとは、生き続ける必要がないため、エサを食べる行動もしません。
人間にはとても理解ができない、自然・生命の神秘ですね!
オスとメスの割合は大丈夫なの?
ところで、繁殖以外では何の仕事もしないオスのはたらきアリ。ただし、繁殖時期までは巣の中でメスが運んできたエサを食べます。
地上で命がけでエサを探し、巣の中のアリの幼虫のお世話やエサの食べ残しの掃除、そして巣の拡張までせっせせっせと仕事をする大忙しのメスのはたらきアリ。
オスとメスの割合はどうなっているのでしょう?
もしちょうど半数であれば、どうもバランスが悪い気がしますよね。メスだけの働きでは巣の維持ができそうにもありません。
実は、ここにもアリ・生命の神秘が隠されているのです。



オスとメスの割合は次回の記事で、
紹介するそうです。楽しみね!

